竿先が小さく震えた。
引き上げてみると、銀色の斑点を散らした小魚が波間に跳ねた。腹をぷっくりと膨らませて、まるで小さな風船のようだ。
「……クサフグか」
口に出した瞬間、心の中で答え合わせをするような感覚があった。釣り人にとっては珍しくもない魚。しかし、料理人でなければ決して扱えない、危うい毒を秘めた存在だ。
その姿は、まるで目の前に現れた“解けない謎”だった。釣り上げることはできても、手に入れることは許されない。
私は糸を外し、そっと海へ戻した。水面を割って消えていく影を見つめながら、胸の奥に奇妙な余韻が残る。
真相に辿り着いた探偵が、それでも手を下さず去っていく。
そんな幕引きに似ていた。
釣果データ
マップの中心は釣果のポイントを示すものではありません。- クサフグが釣れる近場の釣果
タックル
- ロッド
- リール
- ライン
状況
- 天気
- 29.0℃ 西南西 4.2m/s 1009hPa
- 潮位
- 27.0cm
- 潮名
- 長潮
- 月齢
- 8.9
- 水温
- 水深
- タナ(レンジ)
この日の釣行
- 日時
- 2025年09月01日 18:38〜18:38
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- 18:38 釣行開始
-
- 石川県珠洲市近辺で釣り開始
-
- 18:38 釣行終了
昔のクサフグの釣果
この釣果の釣り人について
【公式】はしさい
海に立つと、風が囁くんだ。
「ここから先は、覚悟ある者だけが踏み込め」と。
今年から釣りという名の“境界線”を越えた、新人アングラー。
まだ力は小さい。けれど、波の向こうに潜む気配だけは、はっきりと感じる。
それは、獲物の鼓動か。
それとも、己の弱さが生む幻影か。
一投ごとに、心のどこかで何かが軋む。
ああ、これは戦いなんだ。
誰かと争うわけじゃない。
昨日の自分を越えるための、静かで苛烈な戦い。
釣れない日には“敗北”の味を知り、
釣れた日には“救済”のような光が差す。
どちらも、この海が教えてくれる大切な意味だ。
未熟者だけど、逃げる気はない。
この場所で、何度でも立ち上がる。
そんな僕の軌跡が、いつか一本の線になり、
海原に刻まれた物語になることを願っている。
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