──水戸黄門釣行記・朝マヅメの章──
能登の海辺を旅する黄門一行。
静寂を裂くように、東の空がほんのりと朱に染まり始めた頃──
助さんがふと潮の香りに鼻を鳴らした。
「ご隠居、今日はどうやら魚影が濃ゅうございますな。」
黄門さまはにこりと笑い、
老いの身とは思えぬ軽やかさで竿を取り、海へと仕掛けを放った。
その刹那、波間がかすかに揺れ、
風もまた、何かを告げるように頬をかすめる。
ほどなくして──
ググッ!!
竿先が大きく弧を描き、
助さん「おおっ、きましたぞご隠居!」
格さん「こいつは中々走りやがる!」
黄門さまは落ち着いた手つきでリールを巻き、
まるで悪代官の企みを見破る時のような、余裕の笑みを浮かべている。
「ふむ……久しぶりに、手応えのある奴じゃのう。」
やがて水面を割って躍り出たのは、銀色の刃のごとき魚体。
朝日の光を反射し、まるで刀身のようにきらめくその姿──
サゴシ。
助さん「ご隠居、お見事!」
格さん「久々の獲物にして、この堂々たる一匹……!」
黄門さまはサゴシを手に取り、
うれしげに、しかしどこか含蓄のある声でつぶやいた。
「長き旅路にも、たまにはこのような楽しみがないといかん。
朝マヅメとは、まさに“機を見て敏なる刻”じゃ。」
そう言って、黄門さまは穏やかに笑った。
──東の空に日が昇る。
一行の釣り旅は、今日も静かに続いていくのであった。
釣果データ
マップの中心は釣果のポイントを示すものではありません。- サゴシが釣れる近場の釣果
タックル
- ロッド
- リール
- ライン
状況
- 天気
- 10.0℃ 東南東 1.7m/s 1021hPa
- 潮位
- 28.0cm
- 潮名
- 小潮
- 月齢
- 6.8
- 水温
- 水深
- タナ(レンジ)
この日の釣行
- 日時
- 2025年11月27日 07:25〜20:49
-
- 07:25 釣行開始
-
- 石川県珠洲市近辺で釣り開始
-
- 蛸島漁港で釣り開始
-
- 20:49 釣行終了
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この釣果の釣り人について
【公式】はしさい
海に立つと、風が囁くんだ。
「ここから先は、覚悟ある者だけが踏み込め」と。
今年から釣りという名の“境界線”を越えた、新人アングラー。
まだ力は小さい。けれど、波の向こうに潜む気配だけは、はっきりと感じる。
それは、獲物の鼓動か。
それとも、己の弱さが生む幻影か。
一投ごとに、心のどこかで何かが軋む。
ああ、これは戦いなんだ。
誰かと争うわけじゃない。
昨日の自分を越えるための、静かで苛烈な戦い。
釣れない日には“敗北”の味を知り、
釣れた日には“救済”のような光が差す。
どちらも、この海が教えてくれる大切な意味だ。
未熟者だけど、逃げる気はない。
この場所で、何度でも立ち上がる。
そんな僕の軌跡が、いつか一本の線になり、
海原に刻まれた物語になることを願っている。