釣行の概要

釣り人
六畳一間の狼 SUU
日時
2022年12月21日(水) 16:43〜18:16
釣果投稿
2 釣果
釣った魚
天気
 11.0℃ 南 3.1m/s 1016hPa 
都道府県
静岡県
エリア
御前崎
マップの中心は釣果のポイントを示すものではありません。

釣行の内容

16:43 釣行開始
御前崎 で釣り開始
Ricordo
リコルド ディート90 deto90 ディート90
VARIVAS
バリバス アバニ キャスティングPE マックスパワー X8 ショアマスター 1号/20.2lb 1.0号/20.2lb
16:43
マゴチ 53.0cm
デスアダー6インチ
少し雲が多い昼過ぎ、ぼくは車を走らせていた。 海沿いを通る真っ直ぐな道が、いつもより長く感じる。 なんだろう。胸にひっかかるような心のざわつきは。 海に着くと心のざわつきを吹き飛ばすような光景が広がっていた。 波は低く穏やかな水面。沖から伸びてくる潮目。 所々に真っ黒な塊が海の中に見える。 ベイトの群れ?いや、それにしては多すぎるような。 でもこんな所に根なんてあったか? あまりのベイトの多さに、根と勘違いするほどのベイトの群れ。 サーフでこれほどのベイトと出会えるチャンスは数えるほどしかない。 今日はXデーだ! ぼくは勝利を確信した。 そう、その時は、、、。 ルアーを投げる度、ベイトの群れが驚いて水面から飛び出しながら逃げていく。 波打ち際ではベイトがまるで遊んでいるように、ピチピチと波紋を出しながら泳いでいる。 ベイトの数と反応とは裏腹に、ぼくのルアーには全く反応がない。 よく見るとベイトも穏やかでまったりした雰囲気。 フィッシュイーターがいない。 ベイトを追いかけ入ってくる青物や下から突き上げるように捕食するヒラメの姿は、ぼくの妄想だったようだ。 陽は傾きそろそろ水平線が太陽を飲み込もうとするころ。 すでに心は擦り切れ、ほとんど釣ることを諦めていた。 心のざわつきはこれだったのだ。 僅かな希望にすがるように、デスアダー6インチを投げる。 10年ほど前、デスアダー6インチが静岡サーフで劇的に流行ったことを思い出したからだ。 当時はデスアダーしか投げないなんてアングラーもいたほど。 海のルアーコーナーにデスアダーのピンクとホワイトがずらっと並んでいたことをよく覚えている。 デスアダー6インチのジグヘッドリグを小さなリフト&フォールで操作する。 デスアダーがゆったりとフォールしている時、クンっと竿先を押さえ込むようなアタリ。 アシストフックを付けなかったから、このまま合わせたらすっぽ抜ける。 咄嗟に竿先を下げ糸を緩める。 たるんだPEラインが波のタイミングとは関係なく脈打つように動いている。 まだ食ってる。 まだ、アワセはまだ。 手元に伝わる感覚が金属を叩くように鋭く硬くなるのを感じた。 きた、フックまで飲み込んだ。 弛んだPEラインを巻き取りながら巻き合わせでフッキング。 乗った!!! 竿に伝わる重さと、ゴツゴツとした首振りが身体と心に響く。 砂浜にずり上げたのは50センチを超えるマゴチ。 ついに釣れてくれた安堵感と達成感に心が満ちていく。 寒さで冷え切っていた指先に体温が戻ってピリピリしているのを感じる。 膝をつきマゴチを眺めながら、「ありがとう」と、小さく呟いた。
マゴチの釣果
18:16
ヒラスズキ 64.0cm
悟空バズーカ127SF
デスアダーでマゴチが釣れたその日暮れあと。 ぼくはまだ竿を振り続けていた。 薄く雲がかかる夜の空に、滲むように浮き上がる月が何かを暗示している、そんな気がした。 日暮れ前に海に満ちていた大量のベイトたちの生命感。 暗くなりその気配はなくなったが、間違いなくベイトはいるはずだ。 ベイトがいるなら、ヤツのチャンスがある。 そう、ヒラスズキだ。 真っ暗なサーフに立ち、先の見えない暗闇に向かってキャストを続ける。 夜のサーフでは、ふと、自分は全くの虚無に立ち向かっているような、そんな錯覚に陥ることがある。 真っ暗な海の闇に飲み込まれてしまうような。 目の前に広がる海は底なしの闇のような。 恐怖にも似た錯覚。 ベイトがいて月もあり、ヒラスズキに絶好のコンディションだと頭ではわかる。 でもそんな頭とは裏腹に心は細く擦り切れてしまいそうな、そんな気がする。 生命感はなく、手元にはあい変わらずルアーの抵抗と波を感じるばかり。 「だめかも」 そんな思いが心にふっとよぎる。 ぼくは弱気な心を振り払うように、黙々とキャストを続ける。 その時は、突如として訪れた。 ゆっくりとハンドルを巻く手がグッと止められ、竿先が真っ暗な海に向かって引き込まれた。 闇に呑まれるのを拒むように、必死で竿を立ててこらえる。 真っ暗な海から、水面が噴火するかのような激しい音だけが聞こえる。 ヒラスズキだ! 心の中でそう思いながら、必死でリールを巻く。 打ち寄せる波と共に砂浜に横たわったのは燦然と輝くかっこよくも美しい魚。 思わずぼくは膝をつき銀鱗の魚体に見入ってしまった。 なんて美しいんだ。 周囲の音は消え去り、世界はぼくと魚だけになった。 さっきまでの不安や無力感は消え去り、指先に温度が戻るような、そんな満たされた感覚。 ふと海を見ると、さっきまでの底なしの闇はいつの間にか消え去っていた。
ヒラスズキの釣果
18:16 釣行終了
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