どうもこんにちわ、t.onumaと申します。
オフショアゲームを本格的に始めて4年目、東京湾と相模湾をホームにしつつ、年に何回かは遠征に出かける、ルアーフィッシング中心の釣り人生を過ごしています。偉そうに語る時も多々ありますが、まだまだ駆け出しで、だいぶへたくそだったりしますので、話半分で聞いてくださいね。
今回は防寒着について、アウターの後編です。前編はこちらからどうぞ。
魚でさえ強敵なのに、寒さまで敵になったら釣りどころじゃ無いですよね。上着は今回で終わりますが、中間着、肌着&その他、と続きます。結構ためになる話もあると思いますので、気が向いたらご覧になってみてください。
ではどうぞよろしくお願いします。
着目すべき機能
前回は素材についてがほとんどで「ならどうしろと?」と思われた方もおられることでしょう。今回はそこそこ具体的に解説したいと思います。
ゴアテックス含め、アウトドアのアウターとしてありがちというかポピュラーなのがフード付きのものですね。まぁ便利ですよね。雨降ってきたらフードかぶれば凌げますしね。
となると、フードが付いていればなんでもいいか、というとそうでも無いように思えます。他にも便利な機能もありますし。
そこで、ゴアテックスパーカー歴25年、これまでにトータル10枚以上の防水・透湿素材のアウターを購入・着用して吟味してきたゴアテックスおじさん(ぼく)が少々詳しく解説します。
参照:https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/NP61800
こちら、銘品の誉れ高いノースフェイスのマウンテンジャケットです。
「マウンテン」なのに海で使うのは少々気が引けなくもないですが、理想的です。素材はプロとかではなく、普通のゴアテックスですして、プロならもっと良かった気もしますが、まぁいいでしょう。
銘品たるポイントの中でも釣りに向いているというか、購入時点で気にすべき点は、見える範囲では4つです。
1ネック部分
こちら口元まで上がるタイプです。雨風を効果的に凌ぐにはこのタイプがいいです
2ベンチレーション
急に陽が照ったりして脱ぐまででも無いけれど湿気を強制的に排出したい場合に便利です。ていうか、マストディテールです
3ポケットの形状
物によってはまっすぐなポケットやジッパーだったりしますが、斜めになっていること、加えてフラップがついていることで、うっかり閉め忘れていても中の何かが落ちにくくなっています。船上で海に携帯を落とすと悲劇ですよね
4ダブルジップ
下側からも開けることができないタイプだと、しゃがんだりした際にアウター全体が持ち上げられるような状態になる時があります。下を少し開けておくとそうした状態になることを防げます。また、下側を開けることができれば、腰巻型のライフジャケットの収まりがよくなると思います。
他、見えない部分では、スノーカフが付いていたり、インナーとジッパーで連結できたりする点もよい評価です。
今期新たにアウターを装備される方はこれらの機能を参考にするのがいいと思います。
難点としては実物を確認したくとも、このマウンテンジャケットは数年にわたる人気商品のため、寒くなる頃には売り切れてしまっていて実物を見ることができないこと、でしょうか。。。
釣り具メーカーの製品ではどうか?
ちなみにダイワでは以下のようなラインナップです。
ゴアテックスプロ
参照:https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/rain_wr/dr1009t/index.html
あれ?バンシィ?
参照:http://www.gundam-unicorn.net/tv/ms/40.php
ゴアテックス
参照:https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/rain_wr/dr-1221a/index.html
パックライトプラス
参照:https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/rain_wr/dr-1121t/index.html
バンシィでしょ?
シェイクドライ
参照:https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/rain_wr/dr-1221j/index.html
インフィニアム
参照:https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/rain_wr/dr_19020/index.html
こちらでは、雨量や、磯などの場所柄で濡れる頻度によって素材を使い分けているみたいですね。
そして深読みしすぎかもしれませんが、開発者、デザイナーの皆さんのガンダムへの並々ならぬ愛情も感じてしまいます。
完全防水のものはどうなの?
また、完全防水アウターとして、ゴム引きのカッパがあります。
参照:http://www.hanshinkiji.co.jp/cgi/item/index.cgi?c=zoom&pk=1175666460
こちら、防水は完璧なのですが、透湿性も完璧にありません。
ですので、厳冬期であっても、釣りが終わる頃には内側が小雨後のそれのように濡れています。
そのため、比較的動きが必要になる釣りで厳冬期に用いますと、とても冷えます。多少の雨程度であれば、透湿素材をお勧めします。
また、蛇足かもわかりませんが、こうした透湿素材は(たぶん)数枚の生地を貼り合わせて作る構造のため、剥離したり、数枚のうちの一枚が薄くなったりして防水性を失います。耐用年数としては5-10年くらいかと思います。
現状、手元にある透湿素材のアウターで最長老のものはパタゴニアの製品で13年目に突入してます。どんなもんかというと、すでにジッパーの接着剤が剥がれたり、生地自体が薄くなり、レインウェアとしての機能は失いつつあります。
スカスカになってるのがわかりますでしょうか?水漏れし放題ですが、防風だけであればまだ使えそうです。
ボトムアウターとウェアのクリーニング
危うく言及するのを忘れそうでした。ボトムも大事ですね。むしろボトムの方が大事かも。
外気が侵入しやすいのが、首元、袖口、腰回り、です。ゆえに腰回りの防寒が完璧な方が望ましいです。そうなるとウェーダーのようなサロペットタイプが万全かと思います。
参照:https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/rain_wr/dr_41020p/index.html
ただ、難点もあります。
・トイレ問題
・扱いずらい問題
大きくはこの二つでしょうか。
まずトイレ問題ですが、完全な山用だとトイレ用に股間部分やヒップ部分にジッパーが配備されているものがあり、多少は問題を和らげてくれます。
が、そうした機能を備えているものは高価な気がしますし、昨今の流行りなのかそもそもそうした製品が見当たりません。
次に扱いずらい問題ですが、まず履き脱ぎが面倒ですし、洗濯も面倒です。
以前はこうしたサロペットタイプを使っていましたが、最近はパンツタイプの透湿ウェアに落ち着いています。完全防備を狙う方向けの装備品でしょうね、このタイプは。
クリーニングについて
ここで、洗濯が出ましたが、アウターウェアもこまめに洗うのがいいようです。透湿素材は汚れに弱い、特に皮脂汚れに弱いようです。潮を何度も被ったりしたような場合は我慢せずに洗った方が長持ちするようです。
ただ、毎度毎度クリーニングに出すのも面倒でしょうから(ぼくは面倒です)自宅でやれるといいですよね。洗濯にあたっては専用洗剤の方がいいようですが、個人的にはどっちでもいいかな、と。
参照:https://www.amazon.co.jp/dp/B07H2YXDQR?tag=kurashino0b-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1
そうしたわけで、最近ではふつーに洗ってふつーに干してます。理想を言えば、畳んで選択ネットに入れて、中性洗剤で洗うのがベスト。洗濯後は、撥水性や防水性を維持するために乾燥機である程度の熱をかけて乾かしたり、アイロンがけやドライヤーで熱風を当てる、という工程を踏むのが良いようです。
ただ、乾燥機は止水テープの剥離の原因になりそうな気がするので使っていません。自然乾燥後、アイロンをかけるのがベターな気がします。
ファッションアイテムとしてのアウター
ここまで生地など、機能の面からアウターを見てきました。
実際、そうした機能を全て盛り込んでいるであろうダイワの最高級品は上下セットで10万円強となかなかの金額です。
そしてか・な・り攻めたデザインというかなんというか。。。
ラッパーな方には好まれそうなデザインでしょうか。好き好きなのでしょうけどね。そして機能は万全ぽいので、デザインさえ気に入れば。。。
こうしたものを見ると考えるのが、人はなぜそれを選ぶのか、なぜそれを着るのか、というそもそもの疑問です。
鷲田清一さんという哲学者がおられまして、この方は著書の中で「隠すための服、飾るための服」という観点から、ファッションを考察されていたかと思います。社会的動物としての考察かと思います。
参照:https://www.amazon.co.jp/dp/4480420428?tag=jpgo-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1
人間たるもの、社会生活を送る上で、全裸で過ごすわけにはいきませんから、自らの身体を隠す必要があります。
一方で、飾るための服も存在していて、一定の記号を自身に付与することで、自身が所属するセクターを証明したりするのに役立つわけですね。
今回の防寒具で言えば、ダイワの防寒具を選べば釣りセクターの人、パタゴニアならガチよりのアウトドアセクターの人、モンベルならリーズナブルかつハードユースなガチセクターの人、ノースフェイスであれば普段使いを重視したファッションセクターの人、といった具合で世間から認識されるのではないでしょうか。
見られること、認識されることだけに重点をおくならば、ロゴだけ付いていればいい気もしますねw
参照:https://jamtrading.jp/blog/mens/2018/10/23/15711/
とはいえ、実用に耐えて欲しいのが釣りウェアです。ですが、デザインが洗練されていない、あるいは実際の着用シーンをイメージできていないものが多いなぁ、と思います。
もちろん、他人様の身につけているものにケチをつける気は毛頭ありませんし、機能優先でいいとは思うのですが、この辺の釣り用の防寒具、もう少しスタイリッシュになればいいのにな、と思う時があります。特に釣り具メーカーの製品に。
釣り用だから→釣り具屋に来たので→あるものを買う、というケースが釣りウェアを選ぶ際に多いのではないでしょうか。
これまでの機能一辺倒というか、消費者の嗜好を重視していないような姿勢が改まればいいのにな、と思うわけです。生産予算はキャパシティ、在庫管理の問題等々、経営マターにもなるでしょうから、おいそれと意見しずらいところではありますけれども。
「もし、無料でもらえるとしたら」、そしてその時に複数のオプションが用意されているとしたら、一番気に入りそうなものあるいは得するものを選ぶのが人情だと思います。
例えば防水・透湿のウェアをなんでも好きなものを貰えるとして、そうした時にパタゴニアやノースフェイスよりも先んじてダイワやシマノが選ばれるようになると、ファッション性としても優れている、ということになるんではないのか?そう思っています。
この辺はデザイン、イメージともに良さそうなので、この路線でヘビーデューティーなアイテムも投入されると、釣りのイメージが変わりそうですね。
その際、釣り人が求める機能性、キャスティングがしやすいパターン(型紙)とか縫製とか、ポケットの配置なんかが工夫されていて、使いやすいと、ファッション面でもリードできるのではないかなぁ、と期待しています。
ではまた。次はミドルレイヤー編です。
t.onumaと申します。
オフショアゲームを本格的に始めてしまったのはここ3年ほどですので、まだまだ駆け出しです。
オフショアを始めてみたい方のために、初心者が気になるところをお伝えしていこうと思います。