みなさん、こんにちわ、アングラーズ藤井です。
今回のマガジンは少しかたい話です。
僕は普段からプレジャーボートに乗って釣りをしています。
今回とある漁協の方と話す機会があり、その方からプレジャーボートでの釣り人に困っている話を聞きました。
漁師には漁業法で縛りがあるのに、プレジャーボートの人はその縛りがないとのこと。
僕にはすぐに意味がわからなかったので、このタイミングで漁業法を調べてみることにしました。
参考にしたサイト
1から勉強するに大変わかりやすかったサイトを紹介します。
他にも参考にしましたが、漁業法について全く知らなかった僕にもわかりやすく教えてくれたのが主にこの2つのサイト。
「改正漁業法」とは?日本の漁業はどう変わるのか?
上記タイトルを押すとそのサイトに飛ぶことができます。
今までの漁業と改正された漁業について、わかりやすく教えてくれました。
【解説】70年ぶりの「漁業法改正」をどう見るか
こちらは、特に深堀りされています。
改正前の法律の問題点と、今の日本が直面している漁業に関する問題を1つ1つ教えてくれました。
日本だけでなく海外との比較だったり、漁業従事者の減少だったりとたくさんの課題が日本にはあります。
簡単に言うとロシアとか中国とかサンマとか取りすぎているじゃないですか、もう日本だけの問題ではないんですよね。
古い漁業法だとやってらんないってことですね。
今の日本を守る、漁業従事者を守るように作ったらしい法律が改正漁業法になります。
僕の説明では、上2つのサイトから引用させてもらっている箇所が結構あります。
詳しく知りたい場合は上記サイトを参考にしてください。
70年ぶりの改正
みなさん知っていましたか。
漁業法って約70年間ずっと変わらなかったということを。
70年前といえば、1950年ごろですよね。かなり昔の話ですよね。
そのときに施行された法律が、現在の状況に当てはまるかどうかはわかりません。
ただ、変更をするタイミングとしては遅かったのかもしれません。
今回のマガジンでは改正となった理由や背景などを説明し、漁業法改正の結果、釣り人も一緒に考えることがあるんじゃないかと提案しています。
改正となる背景、課題
僕が調べた中では、課題は3つありました。
水産資源の減少
1つ目は、水産資源が減っていることです。
簡単に言えば、年々魚が獲れなくなってきていること。
日本の水産物の生産量のグラフです。
漁業も養殖業もどちらも下がっています。
日本は約半数が輸入物に頼っている現状とかも知っていましたか。
今までの法律だと水産資源の確保が危うい。
資源管理と水産業の成長産業化を両立
簡単に言えば、一部の資源がなくなっていくのを止めたいということ。
漁師さんだって、高く売れるものを獲りたいと思うのは当たり前です。
ただ、そのおかげで一部の資源のみ枯渇してしまい、バランスが崩れてしまう。
例えば、漁師さんが全員でマグロを獲りに行くと、マグロだけが枯渇します。
こういった偏りをなくしたい。
諸外国の漁獲量が増大
近隣諸国と同じ海を共有している我が国では、今までの法律ではしっかりと資源確保が守られていない。
日本国内のルールがしっかりしていないと、関連諸国に働きかけることが容易ではありません。
法改正をすることで、共通の資源をしっかりと管理できるように、諸外国に強く働きかける必要性があります。
改正漁業法とは
それでは、今までの日本の漁業における課題を知った上で、改正を行う理由は以下のようです。
先程あげた課題そのものなのですが、この他にもこのような現状があるようです。
漁業に従事する人の数が年々減っている
1961年には70万人に達するほどであった漁業に従事する人の数は、その後1993年には32.5万人と50%以下になり、さらに2017年には15.3万人へと大幅に減少しています。
めちゃくちゃ減っていますよね。
魚が獲れなくなってきた結果、従事者も減るという負のスパイラルです。
改正することで、スパイラルから脱却でき、良い方向に進めればいいなぁ。
TACとIQについて
では、課題を解決するために法改正が行われた結果、具体的に何が変わるのでしょうか。
その説明のために2つの言葉が登場します。
TAC(Total Allowable Catch)
日本語で言うと、漁獲量だそうです。資源は獲りすぎると次に繋がりません。
自分で自分の首を締めているのと同じ。よって、この漁獲量(TAC)を一定にする必要があります。
IQ(Individual Quota)
TACを漁業者や漁船ごとに割り当てる仕組みです。
簡単に言えば、一人ひとりに許可する漁獲量を決めて、割当量を超える漁獲を禁止します。
禁止すれば、資源を一定量守ることができ、漁獲可能量の管理を行うことができます。
改正漁業法では、資源の確保が1つの目的となっています。
漁師さんはIQで割り当てた量以上に資源を獲ることが出来なくなります。その結果、流通量の制限とともに価格を守ることもできるというのが作った人の意図なのでしょう。
漁師さんが僕に言いたかったこと
最初の話に戻りましょう。
漁師さんから、【プレジャーボートに乗って釣りをしている人に困っている】という話を聞きました。
さて、何に困っているのでしょうか。
それは、【漁師はIQによって漁獲量に制限があるのにも関わらず、毎日プレジャーボートが来て制限のない漁業をしているから資源が獲れなくなって困っている】ということです。
同じ漁場で、同じ資源を獲っている。
にも関わらず、一方では法に縛られ制限の中で行っている。
しかし、もう一方では、制限がなく好き勝手に資源を獲っている。
しかも、前者は生活のためにやっているが後者は遊び(遊漁)で行っている。
このままでは、改正漁業法が漁師さんの首を締めます。
また、ルールなく資源を獲れば、結局その反動は釣り人に返ってきます。
今は漁師さんにしかルールがない世の中でも、この話が大きくなれば、いつかは釣り人にも厳しいルールが強いられる可能性があります。
今回の話は、釣り人全員に当てはまる話ではないかもしれませんが、これを読んだ人が資源の保護を考えるきっかけになってもらえれば嬉しいです。
資源は有限。
それを枯渇させるのも守るのも人間次第ということです。