食性ではなく、テリトリーを意識して釣る!
最近、僕が渓魚に対して思っていることです。
魚を釣ることにおいて最も重要なのが魚の食べているものにルアーをあわせることです。
俗にいうマッチザベイトですね。
魚が何を食べているか知れば、その食べているものに極力ルアーを合わせることで魚はもっと釣れるでしょう。
マッチザベイトこそ釣りにおける基本であると思っています。
ただ渓流でのルアーフィッシングは、ルアーが明らかに餌より大きい。
そもそも渓魚はルアーを餌だと思っているのでしょうか。
今回は、渓流で感じている僕の考えを書きたいと思います。
腹の中は虫ばかり
以前、フライマンの人と同行したときに釣った魚の餌を確認してもらいました。
ストマックポンプなるもので胃の中を吸い取ると、小さな虫がたくさん出てきました。
そのときは、ウスバカゲロウやトビケラの幼虫みたいな約1cmぐらいの虫が複数入っていました。
問題は、その中に渓流で使うルアーサイズの餌が1つも入っていなかったこと。
イワナは、カエルやヘビも食べるとは言いますが、さすがに毎日食べないのでは。
僕が使用する渓流用のルアーは4cmから6cmぐらいで、その大きさのものを主食としている渓魚がいるとは思いません。
じゃあなんでルアーにアタックしてくるのか。
疑問はここから始まりました。
縄張りと威嚇
食性で口を使ってないなら、テリトリー(縄張り)での威嚇で口を使っているのではないか。
そう、渓流の魚にはテリトリーがあるんです。
自分のテリトリー入ってきた魚がいれば追い払おうとします。
その行為に、噛み付くものがあるのではないかと思うようになりました。
渓流でよくある『近くまで追ってくるけど食わない』とき。
これは食べたいのではなく、追い払うコトが目的であり、追い払えれば口を使う必要がないのではないか。
つまり、チェイスがあるけど食わないのは食性ではなく、テリトリーに入ってきた同類を追い払うためであり、ルアーがテリトリーから離れていっているのであれば、口は使わない。
【追う姿勢を示すだけで、相手は自分のテリトリーから出ていく】
そう考えている渓魚からしたら、どう考えても口を使うわけがありませんよね。
シンキングミノーでできること
初めは、
【ならばテリトリーにずっと居続ければ、最終的に口を使わざるを得まい!】
なんてことを考えたんですが、アップもしくはアップクロスで投げていく釣りをやっている僕からすると、その場所に居続けることはかなり難しい。
また、ダウンなら同じ場所にルアーを留めることができると考えましたが、そもそもアップで釣りあがっていき、渓魚がいる場所を確認したら一度上に上がってからダウンで狙うってかなり難しいなと考えました。
実は何回か挑戦してみたんですが、上に上がってしまうと高確率でバレてしまい、チェイスすらなくなったので断念しました。
つまりこの釣りでは、移動距離は少なくでも大きく動くようにルアーを操作するしかないという結論に至ります。
猫じゃらしに遊ぶ猫
こんな感じで渓魚を如何にして釣るかを考えているときに、釣り仲間から面白い話を聞きました。
『1回では猫じゃらしに飛びつかない猫も、目の前で何回も猫じゃらしを動かせばいつか猫じゃらしに手を出すことがある。
渓魚も同じで、何度もテリトリーにルアーが通れば、いつか口を使うときがある。』
初めて聞いた時は、僕の考え方とはまるっきり違う発想に困惑しましたね。
ただ、今考えてみると食性ではなくテリトリーで口を使って追い払う考え方と同じでした。
このときから、渓魚は食性で口を使うよりテリトリーから追い出すために口を使っているんだと思う様になりました。
正解はありません
今回の話ってすべて僕の体験から想像した内容です。
ただ、何割かは食性から口を使っている渓魚もいると思います。
まぁせいぜい2割ぐらいだと思いますが。
残りの7割ぐらい(1割はその他)は、テリトリーから追い払うために口を使っているのだと思っています。
こう考えると渓魚の行動理由に辻褄があうことがたくさんあるためです。
また、こう考えて釣りをするともっと釣りが楽しくなると思いませんか。
実際に釣りをしていて魚の不可解な行動ってたくさん経験していますが、すべての魚がマッチザベイトを意識して釣りをした方が良いというワケでもないようです。
魚の行動を理解するとますます釣りが面白くなりますし、釣れるようになるのではないでしょうか。